誰もがうらやむ

爽やかカップルがおりました。
かつて、私達が高校二年生だった頃。


サッカー部の長身の彼と、バドミントン部の小柄な彼女は、
美男美女で2人でいるところもさまになる。
高校生の頃から「女の子がほしいんだ」
と語る彼と、その隣で少し恥ずかしそうに笑う彼女は、
本当に本当に誰もがうらやむベストカップルでした。


高校三年生になっても、私は彼女と同じクラスで、
同じ仲良しグループに属していたこともあり、
卒業後お互いに大学生になっても、社会人になっても、
年に1、2度は久しぶりに集まる仲間でした。


彼女は彼と別れたり、戻ったりを繰り返しながら、
最後はハッピーエンドのゴールイン。
高校時代から見守っていたみんながほっとした、
素敵なお祝いの日になりました。


やがて、2人には子供がうまれ、
他の仲良しグループの子もそれぞれ結婚したり、家を建てたり、
子供を生んだり、家庭をもつようになり、
なかなか会う機会も少なくなりました。


どうしてるかな。あの時小さかったあの子の子は、ずいぶん大きくなったんだろうな。
と思いながら過ごしていたところ、今日届いた1通の寒中見舞い。


彼が、去年脳梗塞で倒れてしまったのだと。
幸い麻痺は残らなかったものの、人生をリセットして、
リハビリを頑張っていると。
そして、彼を支えて、彼女も頑張っているのだと。


短い文面でしたが、彼女の直向さがあふれ出ていました。
彼女は妻として、母として、直向に生きている。
彼も、直向に。


ショックな内容ではありましたが、
私が元気をもらうというのは情けない限り。
暖かくなったら、彼女と、彼に会いに行こうと思います。
私には、おそらく2人の話を聞くぐらいしかできませんが。


でもそれでも、2人の笑顔を見たいので。