カムチャッカから来た

ナターシャという女性に出会いました。


今日は会社の先輩の身内の方に不幸があり、
お通夜に参列。
その後晩ご飯を食べて、「ごちそうさま〜」と店を出たところで、彼女に遭遇。


何か言ってるけど、全然わからない。
初めは「フランス語か?」と思った。



どうやら公衆電話の相手としゃべってほしいらしい。
度胸満点の先輩が、電話に出てみる。



『「六地蔵」という駅にまで来させて・・・』という内容。


何故この普通電車しかとまらない、しかも駅から少し離れたここに、
彼女はいたのか。
今もって謎だが、とりあえず駅へ連れて行き、
切符を買ってあげ、路線図を広げながら説明する。


しかしほんとに彼女、片言の英語も通じない。
「ロシア人、カムチャッカから来た」ということだけかろうじてわかった。



とりあえず紙に「この人は英語も日本語もできません。行きたいのは
六地蔵』駅です」と書いて、
困ったらコレを見せるようにとジェスチャー


途中、別の先輩が、ロシア語ができる親戚の人に電話をして、
大まかに状況を説明し、彼女も何とか理解したようだった。



いつ日本に来たのかもわからなかったが、
海遊館にも行って来たらしく、パンフレットをもっていた。
英語も日本語もできないのに、
単身ふらりと日本をうろつく根性が素晴らしい。
しかもスーツケースとか全くもっていない。
「ちょっとそこまで」スタイルだ・・・。


最終的に、乗るべき電車に乗せて、車掌さんに宜しく頼み、
彼女を見送った。
彼女は電車に乗り込んで振り返り、
チャーミングな笑顔を振りまいて、
「スパシーバ!」と叫び、投げキッスをしてくれた。


それがとても自然な動作で、
とてもかわいくって、私達は幸せな気分に包まれた。


明日が休みなら、一緒に行ってあげたのにな。
楽しいハプニングだった。